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「帰国してから、英語がじわじわ抜けていく気がする」
帰国してしばらく経って、そんな感覚を持ち始めている方に向けて書いています。
私もそうでした。1年間の留学を経て、英語で会話できるようになって、やっと手に入れた感覚がある。それが帰国後の生活の中でじわじわと薄れていく——そんな焦りを感じながら過ごしていた時期がありました。せっかく伸ばした英語をなんとかキープしたいと思っていたのです。
帰国後、私は「英語を忘れないようにしなければ」という意識を持ちながら生活していました。インプットを続けたり、頭の中で英語を使う習慣を持ったり、自分なりにできることはやっていました。
この記事では、帰国後に私が英語力をキープするためにやっていたことを、正直にお伝えします。
ただし最初に言っておくと、「キープできた」という成功談ではありません。正確には、「どうにか錆び止めをしていた話」に近いです。でも、帰国後に英語を忘れたくないと思っている方には、何かしら参考になることがあると思います。
帰国後2〜3ヶ月で、英語の感覚がじわじわ落ちてきた

帰国直後は「まだ英語を覚えている」という感覚がありました。でも2〜3ヶ月が経つ頃から、じわじわと変化が出てきました。日常生活で英語を使う機会がなくなったことで、留学中に積み上げた感覚が薄れていきました。
帰国してまず感じたのは、日常生活で英語を使う機会が一切なくなったということでした。
留学中は、朝起きてから夜寝るまで英語の中にいました。授業はもちろん、ホームステイ先でのやりとり、買い物、友人との会話——日本語を使うのは頭の中でぼんやり考えるときくらいで、生活全体が英語に囲まれていました。
それが帰国した瞬間、ゼロになります。
空港に着いた瞬間から日本語だらけ。家族と話すのも日本語、コンビニ、テレビでも日本語。当たり前ですが、英語を話す場面が一切ない状態です。
留学中に英語を話せるようになっていったタイムラインについては「英語が話せるようになるまでの期間【正直な体験談】」にまとめています。
帰国後2〜3ヶ月くらいが経った頃、感覚の変化が出てきました。留学中は自然と出てきていた表現が、すっと出なくなってきたのです。「これ英語でなんて言うんだっけ」という場面が増えて、頭の中でもたつく感じがありました。留学中にできていた英語が、できなくなってきている——そう実感し始めていました。
そのことをはっきり実感したのが、ディズニー映画を見たときでした。留学中に英語字幕なしで見ていた作品を、帰国後に同じように見てみました。聞き取りも理解も、留学中のような感覚ではできなくなっていて、正直焦りました。「あれ、こんなに落ちたのか」と。映画を通してそれを実感したのが、けっこうショックでした。
もう一つ、帰国後に気がついた変化があります。私は外国語学部に在籍していたので、帰国後も大学3・4年の授業で英語を使う機会はありました。帰国した直後は、教科書なしで耳だけで授業についていけていました。それが当たり前にできていたので、「まだ大丈夫かな」と思っていたのです。
ところが、クラスメイトと英語で話す授業で、少しずつおかしなことが起き始めました。留学中の感覚で話すと、相手に伝わりにくい場面が出てくる。何度かそういう経験を重ねるうちに、知らず知らずのうちに相手に合わせた話し方になっていきました。そういうことを繰り返すうちに、自分の英語がじわじわと変わっていく感覚がありました。
なぜそういうことが起きるのかの背景については「【英語力ゼロで留学】学校英語と使える英語は別物だった話」に詳しく書いています。
日常の中でやっていたこと(インプット系)

やったりやらなかったりでも、何かひとつを続けることに意味があった。帰国後に英語の感覚が完全に消えなかったのは、これが理由だったと思っています。
英語を使う場がなくなったからといって、何もしていなかったわけではありません。帰国後も、英語に触れる機会を日常の中に作るようにしていました。
やっていたことをざっと挙げると、こんな感じです。
- ネットで英語の記事を読む
- 英語字幕で映画を見る
- 英語の本を読む
- 英語学習アプリを使う
- 単語帳を開く
- YouTubeなどで英語のコンテンツを見る
ただ、「続けた」とは言い切れません。正直なことを言うと、「やったりやらなかったり」でした。ずっと続いたものは一つもありません。映画を毎日見ていた時期もあれば、まったく見ない時期もある。アプリを熱心にやっていた時期もあれば、一週間ほど放置することもある。
でも振り返ってみると、何かしらはやっていました。アプリをやめたら映画を見るようになって、映画を見なくなったら英語記事を読んでいた、という感じで、どれかは必ず続いていたのです。「全部やらなくなる」という状態にならなかったのは、今思えばよかったと思います。
その中で、比較的意識して続けていたのが「聞き取り」と「文章を読むこと」でした。
聞き取りは、耳が慣れているかどうかが感覚として分かりやすい。映画やYouTubeで英語を聞いたとき、「ちゃんと聞き取れているか」が自分でも確認しやすかったので、続けやすかったのだと思います。「あ、今日は少し聞き取れていないな」というのが分かると、危機感が出てもう少し続けようという気になります。
読むことについては、通学のすき間時間に英語の記事を読む習慣がありました。内容が面白ければ続くし、つまらなければやめる。それくらいのゆるさでした。ただ、英語を「読み物として読む」経験が続いていたことは、今振り返ると意味があったと思います。
もう一つ、帰国後から始めたのが単語の勉強です。留学中は会話の流れの中で単語を覚えていましたが、帰国後はそういう機会がなくなります。単語の意味を忘れる、ぱっと表現が出てこなくなる——そういう場面が増えてきて、単語帳を開くようになりました。
留学中はほとんど単語帳を使っていなかったので、帰国後に必要性を感じて始めたことでした。英語で話す機会がない分、少なくとも「知っている単語を保つ」くらいのことはしておこう、という気持ちでした。
頭の中で英語を使う習慣がじわじわ効いた

インプットとは別に、「誰とも話さなくてもできる練習」がありました。それが「頭の中で英語を使うこと」です。特別な道具もお金も不要で、すき間時間にできます。
インプット系の取り組みとは別に、もう一つ意識してやっていたことがあります。「頭の中で英語を使う」ことです。
きっかけは、留学中に英語で考えることが自然になっていたのを思い出したことでした。留学後半になると、何かを考えるとき英語で考えることが増えていたんです。帰国後もその感覚を少しでも残せないかと思って、日常の空き時間に意識してやるようにしました。
やっていたのは主に「何もしない時間」です。電車に乗っているとき、バスを待っているとき、授業の合間のちょっとした待ち時間。スマホを出すほどでもない時間に、頭の中で英語を動かすようにしていました。
具体的にやっていたことは、大きく3つです。
一つ目は、今日の出来事やこれからすることを英語で考えることです。頭の中でスケジュール帳や日記を書くようなイメージです。「今日は授業があって、そのあと図書館に寄って、夜は友達と夕食を食べる」という内容を英語で考えていく。それだけのことですが、「英語で文章を作る」という脳の動きは維持できると感じていました。
二つ目は、これから行く場所への道順を英語で誰かに教えるシミュレーションです。「駅を出て右に曲がって、信号を渡ったら左折して、〇〇のビルが見えたら到着です」——そういった内容を英語で組み立てていく練習です。道順の説明は構造がシンプルで、英語でも組み立てやすいので続けやすかったです。
三つ目は、目に映るものを英語で誰かに説明するイメージで文章を組み立てることです。たとえば電車の窓から見える景色を、外国人の友人に説明するとしたらどう言うか。目に入ったもの——建物、看板、人の様子——を英語でどう伝えるかを頭の中で考える。実際に声に出すわけではなく、頭の中だけで文章を考えます。
どれも、特別な時間を作る必要はありません。空き時間にぼんやりする代わりに、頭の中で英語を動かす。それだけのことです。
「しゃべる機会がないなら、頭の中でしゃべる」というのが、帰国後にできる一つの対処法だったと思っています。
声に出して誰かと会話するわけではないので、英語力が伸びるというよりは「忘れにくくする」効果に近かったかもしれません。インプットとこのひとり練習を組み合わせることで、少なくとも完全に感覚が消えることはなかった、と感じています。
正直な感想:「キープ」というより「錆び止め」だった

ここまで書いてきて、正直なことを言います。
留学中と比べると、私の英語力はかなり落ちました。
留学中のあの感覚——英語がすっと出てくる感じ、相手の言っていることをリアルタイムで理解できる感じ——は、帰国後の生活の中では維持できませんでした。インプットを続けて、頭の中で英語を使う習慣も持っていたつもりでしたが、正直、だめでした。
「留学前と比べると格段に上がった」——それは間違いありません。でも、「留学直後の状態をキープできた」かというと、そうではありませんでした。
自分の正直な評価は、「錆び止め」でした。完全に錆びるのを防いでいた、という感覚です。
「英語力をキープできた」という言い方は、私には当てはまらない。でも「何もしていなかった場合よりは落ち幅が小さかった」とは思っています。それが「錆び止め」という表現に近いです。
ただ、一つ意外なことがありました。帰国後は英語力が落ちたと感じていたのに、数年後にヨーロッパを旅行したとき、現地で英語を使う場面になったら意外と使えたのです。「あ、ちゃんと残っていた」と思いました。完全に忘れていたわけではなかった。錆び止めの効果は、それなりにあったのかもしれません。
英語は「完全に失われる」ことはないのかもしれない——というのが、その旅行で感じたことです。ただ、使わなければ確実に出にくくなる。だから錆び止めだけでも続けておくことには、意味があると思っています。
その旅行での具体的な体験については、また別記事でお伝えします(準備中)。
帰国後に英語力をキープしたい方へ
ここで正直に言っておきたいことがあります。
インプットを続けることも、頭の中で英語を動かすことも、意味がないとは思いません。でも振り返ってみると、英語力の維持に一番効果的だったのは「実際に話すこと」だった、と思います。
帰国後に英語力がじわじわ落ちていったのは、話す機会がゼロになったことが一番大きな原因だったと感じています。聞く・読む・考える、それだけでは補えない部分があるのです。会話のリズム、反射的に言葉を出す感覚、聞き取ってすぐ返すスピード——これは実際に話さないと維持できない。
だから正直に言うと、今もし同じ状況に戻れるなら、帰国直後からオンライン英会話を使っていたと思います。
私が帰国したときはオンライン英会話という選択肢を知らなかったのですが、今はそういう方法があります。自宅にいながら、外国人講師と実際に話す練習ができる。帰国後の「話す機会がない」という状況への、現実的な対処法だと思います。
中でもおすすめなのが、ネイティブキャンプです。テキストなしのフリートークで、多国籍の講師と実際の会話に近い練習ができます。24時間365日・回数無制限・予約不要で「今すぐレッスン」を始められます。「この時間に少し練習しよう」という気になったときにすぐ使えるのが、帰国後の英語維持には特に合っていると思います。月額7,480円(税込)で受け放題、年間割引を使うと月額6,480円(税込)になります。7日間の無料体験もあります(登録にクレジットカードが必要ですが、無料期間中は課金されません)。まずは試してみやすいと思います。
帰国後に「英語を話す機会がない」という状況をそのまま放置していると、じわじわと英語の感覚は薄れていきます。早めに話す場所を作っておいた方がいい、というのが今の私の正直な思いです。
話す機会を意図的に作ることが、英語力の維持には一番効きます。
まとめ
- 日常の英語の機会はゼロになり、私の感覚は2〜3ヶ月でじわじわ落ちていった
- インプット(聞く・読む・単語)はやったりやらなかったり、でもどれかは必ず続けていた
- 頭の中で英語を使う習慣(目に映るものを説明・今日の出来事・道順シミュレーション)は空き時間にできる
- 「キープ」ではなく「錆び止め」——それでも数年後の旅行で意外と使えた
